長時間のデスクワークにより、腰痛にお悩みの方も多いのではないでしょうか。腰痛の原因は同じ姿勢を続けることや、姿勢の崩れ。特に間違った座り方は腰に大きな負担をかけるため改善が必要です。
そこで今回は、椅子の正しい座り方やランバーサポートの調整方法を解説。あわせて腰痛対策におすすめのオフィスチェアを紹介します。
デスクワークは腰に負担がかかりやすい
長時間のデスクワークは、腰痛の原因の一つ。もともと座り姿勢は立ち姿勢よりも腰へ負担がかかるうえ、長時間座ったままでいると、血流の滞りにより筋肉が硬化。疲労が溜まりやすくなり、コリや痛みを感じるようになります。
また、誤った座り方にも注意が必要。
背骨はゆるやかなS字カーブによって、重い頭や上半身を支えています。頭が前に出た猫背の姿勢や、逆に背中を反り過ぎて骨盤が前に出る「反り腰」の姿勢になると、S字カーブが崩れて腰にかかる負担が大きくなり、痛みが生じるのです。
近年のテレワークで腰痛を感じ始めた人も増えています。オフィスのように環境が整っていない自宅でデスクワークをすることで、腰に負担がかかりやすくなっていることがその要因と考えられます。
腰への負担を軽減!オフィスチェアの正しい座り方
腰痛が気になるなら、まずは正しい座り方をすることが大切。正しい座り方をすれば腰に負担がかからず楽に座れ、腰痛を防止できます。正しい姿勢がとれることで、肩こりや眼精疲労の軽減にも有効です。
かかとが床につく高さに座面を調整する
椅子に座るときは、足が床にぴったりとつくのが基本です。足が浮いていると、上半身を支えるために腰回りの筋肉が硬くなり、腰痛を招きます。
まず、座ったときにかかとが浮かないように、椅子の高さを調整しましょう。椅子で調整が難しい場合には、フットレストなどを活用すると良いでしょう。
深く腰かけて背筋を伸ばす
椅子に座るときは、坐骨に均等に体重がかかるようにして深く腰かけ、上半身を楽な位置に調整します。背骨がS字カーブを描くように、骨盤を立てるのがポイントです。
浅く腰掛けると猫背になりやすく、背筋を伸ばそうとすると反り腰になり姿勢が崩れます。また、腰が前に滑ると骨盤が後傾した「仙骨座り」になり、腰への負担が増すため注意してください。
あごを引いて頭が体の真上にくるようにする
頭の正しい位置は、体の真上です。あごを引いて背筋を伸ばしましょう。頭が正しい位置にあれば体が傾きにくくなり、筋肉などにも負担がかかりません。
腰痛対策にはランバーサポートの活用も
デスクワークで腰への負担が気になる場合には、ランバーサポートの活用もおすすめです。ランバーサポートは背もたれのフレーム部分に付いた腰を支える機能。ランバーサポート機能を備えたオフィスチェアも多くありますが、機能がない場合には後付けも可能です。
ランバーサポートの役割
ランバーサポートの役割は、正しい着座姿勢をサポートすること。腰を当てるように座ることで自然に骨盤が立ち、背骨本来のS字カーブを維持しやすくなります。腰にかかる負担や疲労の軽減につながり、長時間のデスクワークでも楽に座れます。
ランバーサポートの正しい位置と調整方法
ランバーサポートは、背骨のS字カーブした部分と背もたれの間を埋めることでサポート力を発揮するものです。可動式のランバーサポートの場合は、背骨のS字カーブに沿う位置に調整します。第三腰椎を意識してあてると良いでしょう。
ポイントは、仙骨(骨盤の中央にある骨)が立っている状態にすること。仙骨が立てば骨盤も垂直になり、自然と正しい姿勢を取れるようになります。
腰痛にお悩みの方におすすめのオフィスチェア 8選
腰痛対策には、正しい姿勢をサポートすることに重点を置いたオフィスチェアがおすすめ。楽に座れて腰への負担を軽減できる、高機能なチェアを8つご紹介します。
腰が楽な前傾姿勢を取れる:HAG Capisco Puls
「HAG Capisco Puls」は、乗馬の姿勢をイメージしたチェア形状で自由な座り方ができる、ノルウェーの家具メーカーHÅG(ホーグ)のおしゃれなチェア。前向きや後ろ向き、横向きなどそのときに楽な姿勢を取れ、着座中に体を動かすことで、長時間のデスクワークによって体にかかる負担を軽減できます。
また、座面はサドルのようにゆるやかにカーブ。足を広げて座りやすく、腰痛がある方も楽に前傾姿勢を取れます。
座る人にあわせて腰部や骨盤をサポート:ハーマンミラー セイルチェア
全面3Dサスペンションでフレームレスのスタイリッシュな背もたれが印象的な「セイルチェア」。背もたれ全体が脊柱のカーブに合わせてしなる構造で、座る人の体型や動きに適応し、脊柱や腰部、骨盤をサポートします。
近年テレビドラマで採用されていることも多く、オフィスで見かけることも増えた人気チェアです。
ユニークな背もたれが体の軸にフィット:Keilhauer Jrチェア
キールハワーの「Jr チェア」は、人間工学に基づき、肩甲骨部分が大胆にカットされた三次元形状の背もたれが特徴的。このユニークな背もたれが、腰と背骨で体の軸をしっかりと支え、背中が丸くならない自然に胸を開いた姿勢へと導きます。
体の軸を維持しながら、上体のさまざまな動きに対応可能。長時間のデスクワークも快適にこなせます。
三次元フィットで姿勢をサポート:BeneS
”良い姿勢を楽に保つことができれば、体への負担を減らせる”という考えから生まれたチェア「BeneS」。座面から背もたれまでの曲面形状と、腰のみを支えるランバーサポートをさらに進化させた三次元フィットにより、背筋を伸ばした姿勢を楽に保つことができます。
背もたれの形状は、ローバック・ハイバック・エクストラハイバックの3種類があり、デスクでの作業に合わせて選択可能です。
調整可能なランバーサポート&セレクトカラーがおしゃれ:Series1
ワークチェアに求められる要素を全て網羅し、期待を超えるパフォーマンスの実現を念頭に設計されたスチールケース(Steelcase)のチェア「Series1」。人間工学に基づいた背もたれは使う人の背骨を真似て動き、内蔵のフレクサー機構が姿勢の変化に追従して腰椎周辺をしっかりと支えます。
カラーはフレーム2色・ファブリック4色に加え、9種類のGarage(ガラージ)セレクトカラーをラインナップ。従来のオフィスチェアのイメージを覆すおしゃれなカラーリングで、インテリアに合った雰囲気のチェアを選べます。
伸縮しながら身体をホールドする進化版:Series2
「Series2」は、「Series1」の進化版。背もたれ部分にあらゆる方向に伸縮・屈曲する素材を使用し、身体の動きに追従するエア・ライブバック機構を搭載。姿勢を動かしたときのフィット感が向上しています。
2つのサポートクッションが体の負担を軽減:クロスフォーカスチェア
自宅での利用にもおすすめなITOKI製のゲーミングチェア「クロスフォーカスチェア」。体を包み込むバゲットシートタイプの座面と、腰椎を支えるランバーサポートクッション、頸椎を支えるネックサポートクッションにより、理想的なS字カーブを実現して体にかかる負担を軽減できます。
Garageでは、チャコールグレー系のオリジナル配色を2色ご用意。落ち着きのある色合いは、自宅にもオフィスにも馴染みます。
小柄な方や女性には、コンパクトタイプがおすすめ。クロスフォーカスチェアと同様の機能を備えています。カラーは5色展開です。
コンパクトでテレワークの腰痛対策にもおすすめ:fitaチェア
しなやかなメッシュ素材の背もたれと、ゆったりとした座り心地を実現した「fita」。シートスライドロッキング機能を採用した後傾姿勢タイプで、PC作業に適するチェアです。
脚周りがコンパクトなので、省スペース化が可能。オフィスはもちろん、在宅でのテレワーク・リモートワークにもおすすめです。
椅子に座りっぱなしにも注意
腰痛対策には、椅子に正しく座ることが大切ですが、長時間の座りっぱなしにも注意が必要です。長時間足を動かさないでいると「エコノミークラス症候群」のリスクが高まります。
エコノミークラス症候群は、正式には肺動脈塞栓症といい、脚の血行不良によって生じた血栓が、肺動脈まで達して血管を詰まらせてしまうこと。胸痛や呼吸困難を起こし、命に関わることもあります。飛行機の狭い座席に座り続けることで発生することが知られていますが、長時間のデスクワークでも注意が必要です。
また、長時間の座りっぱなしは、動脈硬化などの生活習慣病を招くほか、認知機能やメンタルヘルスへの影響も懸念されています。
デスクワークの際には、1時間に1回を目安に立つようにしましょう。離席が難しい場合には、座ったままでできる足の指や足首の運動や、ふくらはぎのマッサージなどを取り入れると良いでしょう。
スタンディングデスクで体を動かす習慣を:電動昇降デスクEL
デスクワークが長時間になる場合には、スタンディングデスクの活用もおすすめ。立って作業をする時間を作ることで、座りっぱなしを防止できます。
「電動昇降デスクEL」は、ボタン一つで高さを自分好みに調整可能。オフィスに比べて座りっぱなしになりやすい在宅勤務でも、体を動かすことを習慣化できます。
腰痛にお悩みの方へ向け、椅子への正しい座り方やおすすめのオフィスチェアをお伝えしました。腰痛対策には、背骨のS字カーブを保つことが重要。ランバーサポートも活用して、楽に座れるようにしましょう。
仕事中に肩首周りが辛くなる方はぜひ参考にしてみてくださいね◎
次回もお楽しみに!