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vol.79

バイオフィリックデザインとは?意味や効果、導入のメリットを分かりやすく解説

近年注目を集めている「バイオフィリックデザイン」は、植物や自然光など自然を感じられる要素をオフィスデザインに取り入れること。自然を感じながら仕事ができ、リラックス効果が得られることから導入する企業が増えてきています。

そこで本記事では、バイオフィリックデザインの意味や今注目されている理由、導入のポイントについて解説します。

目次

「バイオフィリックデザイン」とは?

「バイオフィリックデザイン」とは実際にどのようなものを指すのでしょうか?ここでは言葉の意味や概要についてわかりやすく説明します。

バイオフィリックデザイン

「バイオフィリックデザイン(biophilic design)」とは、自然を感じられるデザインを建物や空間や都市のデザインに取り入れ、人の健康や幸福を向上させる手法のことです。

人は「自然とつながりたい、結びつきたい」という欲求を本能的に持っているもの。オフィスのデザインに植物や自然光などの要素を反映させ、自然を感じながら仕事をすることでリラックス効果が得られます。その結果集中力や想像力の向上が期待できるとして、注目が高まっています。

バイオフィリックデザインの身近な導入例としては

 ・観葉植物やフェイクグリーンをデザインに取り入れる

・自然光を再現した照明を取り入れる

・鳥の鳴き声や川のせせらぎなど、自然の音をBGMとして流す

・アロマディフューザーを使って森林やアロマの香りを空間に拡散する

などがあげられます。

「バイオフィリア」の言葉の意味

「バイオフィリア」は「バイオ(生命・生物・自然)」と「フィリア(愛・友愛)」の2つの言葉が組み合わさってできた造語です。1984年にアメリカの生物学者エドワード・O・ウィルソンが「人間には自然とつながりたいという本能的欲求が他の形態の生命と結びつきたい衝動がある」という「バイオフィリア理論」を提唱し、空間デザインに反映させたものを「バイオフィリックデザイン」と呼んでいます。

なぜ「バイオフィリックデザイン」が注目されているのか?

年々注目が高まっている「バイオフィリックデザイン」。多くの企業がオフィスデザインへの導入を図っています。そこにはどのような理由があるのでしょうか。

従業員の健康や幸福を意識したオフィス環境づくりが必要に

近年ではウェルビーイング(心身のみならず社会的な面も含めて満たされた状態をあらわす概念)が重要視されています。そのためには、オフィスで働く従業員の健康や幸福を意識したストレスの少ない環境を提供することが必要です。

 そこでバイオフィリックデザインをオフィス環境に取り入れ、従業員のストレスを減らそうとしています。

実際にバイオフィリックデザインを取り入れた環境では、ストレス値が下がることがわかっています。

(国土交通省が発表した「平成30年度首都圏整備に関する年次報告(令和元年版首都圏白書)」の「首都圏をめぐる最近の動向」の中で「植物なし」の場合のストレスを1.00としたとき「植物あり」の空間では0.89、「植物+ハイレゾ音あり」の空間では0.76までストレス値が低下するというデータが示されています。)

※ハイレゾ音…高解像度音源とよばれ、CDよりも原音に近く音が細かで豊かとされているもの

都心部のオフィスでは自然との接点が少ない

バイオフィリックデザインの導入は、特に都心部のオフィスで重要とされています。

多くの都心部のオフィスは高いビルに囲まれ、アスファルトに覆われた場所に建っています。そういったオフィスで働く従業員はどうしても自然との接点が少なくなりがちです。

そのため意識的に自然との触れ合いを増やす必要がありますが、オフィスから離れた場所や自宅周辺であっても、自然を感じる機会はなかなか少ないでしょう。

そこでオフィスにバイオフィリックデザインを導入し、日々自然と触れ合える環境を作り出すことが重要視されています。

「バイオフィリックデザイン」を導入するメリット

ここからは、バイオフィリックデザインを導入することで得られる代表的なメリットについて解説します。

ストレス軽減やリラックス効果が得られる

前述したように、バイオフィリックデザインの導入にはストレス軽減効果が期待できます。オフィスに自然の景色や植物、自然光を取り入れることで心理的なリラックス効果をもたらし、視覚的なリラックス効果が得られます。

特に観葉植物などのグリーンは緑視率(人の視界を占める緑の割合)を高めることができ、ストレスや視覚疲労の軽減効果も〇。

オフィスが業務に集中できる居心地よい空間になれば、欠勤率や離職率を減らす効果も期待できそうです。

従業員のモチベーションアップ

バイオフィリックデザインの導入によって従業員の幸福度が高まり、仕事のモチベーションが向上することが期待できます。

好きなことや趣味に没頭しているときは、時間があっという間に経っていた!という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。喜びややりがいを感じながら楽しく仕事に取り組めば集中力は高まり、生産性が向上します。

多くの従業員のモチベーションが向上することで、企業の業績アップにもつながるでしょう。

新たなアイデアを生み出しやすく、創造性が向上する

オフィス空間にバイオフィリックデザインを導入することで、視覚や聴覚などの人間の五感を通じて自然を感じられる環境が整います。米国ロバートソン・クーパー社の「ヒューマンスペースレポート」によれば「自然の要素を取り入れたオフィスで働く人々は、そうでないオフィスで働く人よりも、生産性が6%、創造性が15%向上する」という結果が得られており、創造性のアップや柔軟な思考を生み出しやすくなる効果が認められています。

「バイオフィリックデザイン」の種類とは?

「バイオフィリックデザイン」には以下の3種類があると定義されています。それぞれの種類について、具体的に解説します。

①直接的自然

「直接的自然」のコンセプトは「自然を生で感じること」。日光や空気、植物・天気・風景・火をそのまま空間に取り入れる方法を指します。具体的には

・観葉植物を置く

・大きな窓で自然光を取り込む

・キャンドルを灯す

・アクアリウム(熱帯魚水槽)を置く

といった例があげられます。

直接的に自然を取り入れる方法はバイオフィリックデザインの効果を大きく感じられますが、デメリットはコストや労力がかかること。場所の制約がある点も注意しなければなりません。

②間接的自然

「間接的自然」は自然をモチーフにしたデザインを取り入れたり、天然素材の家具を使ったりすることで、空間を自然に近づけることをコンセプトとしています。

・無垢のフローリングや家具を使う

・壁紙をナチュラルカラーの色調に整える

・自然をモチーフにした写真やモニター、絵画等を飾る

・鳥の鳴き声や川のせせらぎなどのBGMを流す

などの例があり、場所の制約やコストが少ないのがポイントです。

③空間と場所

「空間と場所」のコンセプトは、人間が本能的に心地よさを感じるデザインです。上記2種の自然をモチーフにしたデザインに加え、安心感のある建築物や文化的なデザインなどがあげられます。

駅や大型のショッピングモール、都市計画において用いられることが多く、オフィスデザインに導入するのはコストも相応にかかります。

「バイオフィリックデザイン」を導入するときに気をつけたいこと

ここからは、バイオフィリックデザインをオフィスに導入するときに気をつけたいポイントを解説します。

配置場所と量の検討

大きな観葉植物や天然素材の家具を配置する際は、従業員の普段の動線に影響しないかどうか、場所の検討が必要です。オフィスのスペースを圧迫せず、かつ動線を妨げない配置を考えましょう。 

また、グリーンをなるべくたくさん置こう!と考えたくなるものですが、一般的には人の視界に占める緑の割合は10〜15%がよいとされています。それ以上になるとオフィスの機能に支障が出る可能性も。バイオフィリックデザインの効果を最大限に引き出すためにも、適切な量を心がけましょう。 

さらに昨今では災害が発生した際、被害を最小限に抑えるための対策は不可欠といえるでしょう。従業員の命を守るために重要なのは、避難経路の確保です。バイオフィリックデザインに基づいて配置したグリーンや家具が通路をふさいでしまわないかも、十分に考慮しなければいけません。

メンテナンスのしやすさ

快適な空間をキープし続けるためには、メンテナンスのしやすさや管理計画も重要です。

特に観葉植物の場合、日々の水やりや手入れは大きな問題に。そこで、場所によってリアルグリーンとフェイクグリーンを使い分けることをおすすめします。

たとえば

・手が届かない高い所(水やりがしづらい)

・ショーケースの中

・壁など植物を植えられない場所

・重い物を載せられない場所

・精密機器のそば

といった場所にはフェイクグリーンが最適です。ただし、フェイクグリーンの材質や配置場所によっては汚れやホコリがつきやすい種類もあるので気をつけましょう。

いっぽう、リアルグリーンは

 ・外部のお客様との商談スペースや受付

・空気を乾燥させたくないデスク周り

など、リアルグリーンならではの自然な緑の質感を楽しみたい場所や空気清浄・加湿効果を狙いたいところに取り入れることをおすすめします。

初めてリアルグリーンを取り入れる場合は、手入れが簡単で水やりの頻度が少なくてもOKなものや、寒さに強い種類を選ぶとよいでしょう。

アウトソーシングの活用

自社のみでの実施や管理が難しい場合は、思い切ってアウトソーシングの活用を検討するのも手です。専門知識を持った外部の企業に委託することで、バイオフィリックデザインの構築やグリーンのメンテナンス管理の負担を減らせます。

まとめ

これからのオフィスデザインに不可欠なバイオフィリックデザイン。

Garageではバイオフィリックデザイン導入に最適なフェイクグリーンをたくさん取り扱っているので、ぜひチェックしてみてくださいね◎

また、PLUS DESIGN CROSSでは実際にオフィス見学もできます。緑あふれる空間をぜひ体感してみてください!

詳しくはこちらをどうぞ!次回もお楽しみに!

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