

オフィスの会議やブレストに欠かせないホワイトボード。でも、使っているうちに「文字がキレイに消えない…」「全体が黒ずんできた…」なんてお悩み、ありませんか?
今回はそんなお悩みを解決すべく、オフィス家具専門店のホワイトボード部門で活躍する担当者のプロに、家庭でもオフィスでも実践できる「ホワイトボードをキレイに保つ秘訣」を聞いてきました!
ホワイトボードは「素材」で汚れやすさが変わる
ライター:本日はホワイトボードをキレイに使う方法を、色々な角度から教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
プロ:こちらこそ、よろしくお願いいたします!
ライター:早速、本題に入っていきたいと思います。 ホワイトボードって「キレイに消せるのが魅力」のはずなのに、何故あんなに汚れちゃうんでしょう?使えば使うほど黒ずんだり、消え残りが増える気がしていて…。
プロ:実はホワイトボードが汚れてしまう問題、そのほとんどがボードの素材とマーカーの種類から来ているんですよ。 「ホワイトボードは全部同じ」に見えて、実は全然違うんです。
ホワイトボードの表面素材は“3タイプ”
ライター:え、素材ってそんなに違うんですか? 会社にあるのはどれなんだろう……。
プロ:大きく分けて、次の3種類があります。
① スチール塗装(スチールホワイトボード)
プロ:オフィスで最も一般的なタイプですね。 鉄板に白い塗装とコーティングを施した構造で、磁石が使えて、価格も比較的安いです。
よくある普通のホワイトボードですが、表面コーティングが劣化しやすい(3年目くらいから傷やムラが出やすい)ので、そこにインクが入り込んで黒ずんでしまうんです。
② ホーロー
ライター:ホーローって、お鍋とかのアレですか?
プロ:そうです。金属の上にガラス質を焼き付けたもので、とても硬くて傷にも強いんですよ。 表面がガラスのようにツルッとしていて、インクが定着しにくく、消し跡も残りにくいのが特徴です。
ライター:“ずっとキレイ”って感じがしますね!
プロ:まさにその通りで、寿命も5年以上と長く、スチールと比べて汚れに強いのが特徴です。
③ ガラスボード(強化ガラス製)
ライター:オシャレなオフィスに置いているイメージです!
プロ:最近人気が高まっていますね。見た目も美しいですし、表面がガラスなので非常に傷がつきにくく、カラー展開も豊富。汚れにくさは3種類の中でトップクラスです。
ただ、ガラスなので強力マグネットが必要なこともあるので、使い方に特徴がありますね。
なぜ?ホワイトボードが汚れる4つの原因

ライター: では、なぜホワイトボードは汚れてしまうのでしょうか?書いたものがキレイに消せるのが魅力なはずなのに…。
プロ: ホワイトボードが汚れてしまう原因は、主に4つあります。これを知るだけで、日々の使い方が変わりますよ!
- マーカーの劣化:ホワイトボードに書いたものが以前より消しにくくなった、マーカーの色が薄い、書いているときの色ムラがあるなどの兆候が見られたら、そのマーカーは劣化しています。そして、ホワイトボード用マーカーにはインクを「剥がれやすくする」ための剥離剤が含まれています。これがマーカーの劣化によって効果が弱まり、インクがボードに固着してしまうんです。
- イレーザーの汚れ: 消しカスが詰まったイレーザーを使い続けると、汚れを広げるだけでなく、ボードの表面を傷つけてしまう原因になります。
- ボード表面・コーティングの劣化: 新品のボードは表面がコーティングされていますが、経年劣化や傷でコーティングが剥がれると、その隙間にインクが入り込んでしまいます。ホコリも大敵です! 使用頻度にもよりますが、一般的にコーティングの寿命はスチール製の場合は3年程度となっています。ホーロー製の場合は5年以上使用可能とされていますが、使用頻度が高い場合にはその限りではありません。
- 消すタイミングの間違い: 実は、書いた直後に消すのはNGなんです。インクが乾いていない状態でこすると、汚れが広がってしまいます。 逆に、1日以上放置するのもインクが固着するので避けるべきですね。
ライター: 書いてすぐに消すのがダメだったとは…!良かれと思ってやっていました。
プロ: 意外と知られていない落とし穴ですね。インクが乾く20〜30秒後くらいがベストタイミングです。
プロ直伝!今日からできる正しい掃除&メンテナンス術
ライター: 原因がわかったところで、具体的な掃除方法を教えてください!普段のお手入れから頑固な汚れの落とし方まで、お願いします!
プロ: もちろんです!頻度別に紹介しますね。
普段のお手入れ(理想の頻度)
・毎回: 書いた文字は、その日のうちに消す習慣をつけましょう。
・週に1回: 硬く絞った布で水拭きし、その後乾拭きします。イレーザーに溜まったインクのカスも掃除してあげてください。
・月に1〜2回: 専用のホワイトボードクリーナーやアルコールで全体の皮脂や油汚れをリセットしましょう。
頑固な汚れにはコレ!

長期間放置してしまったインク跡には、ホワイトボード専用クリーナーか消毒用エタノールを柔らかい布につけて優しく拭き取ります。その後、必ず乾拭きで仕上げてください。
◎注意点
強くこすったり、シンナーやベンジン、界面活性剤を含むクリーナー、たわしなどを使ったりするのは絶対にNGです! 表面のコーティングを傷つけ、さらに汚れやすいボードになってしまいます…。
ライター: メラミンスポンジはどうですか?
プロ:メラミンスポンジは、軽い力でマーカーを消すことができます。ですが、強くこすったり、水やアルコールを含ませて使うと板面のコーティングを傷つける可能性があるので使用時には注意してください。
おすすめクリーナーは?

・手軽さ重視なら: プラスの「ホワイトボードクリーナー WCL-423418」のようなシートタイプが便利です。
・ガンコな汚れに: コクヨの「ホワイトボード用クリーナー TW-400」のようなスプレータイプが効果的です。
・コスパ&安心感: レックの「激落ちくん ホワイトボード用クリーナー」も人気があります。アルカリ電解水とアルコールで汚れをしっかり落とします。
キレイを長持ちさせる5つの極意
ライター: 掃除方法だけでなく、そもそも汚さないための「予防法」があれば知りたいです!
プロ: 良い質問ですね!日々のちょっとした心掛けで、ホワイトボードの寿命は大きく変わります。
- イレーザーは清潔に!: イレーザーは「掃除道具」ではなく「消耗品」です。 フェルトに粉が詰まっていたら、それは汚れのサイン。定期的に水洗いするか、汚れが落ちなくなったら交換しましょう。また、水洗いをした後はよく乾かしてから使用してください。
- マーカーはメーカー推奨品を: ボードとマーカーには相性があります。インクがかすれてきたら、無理せず新しいものに交換してください。
- 長時間放置しない: 「会議が終わったら消す」をチームのルールにしましょう。
- 直射日光を避ける: 紫外線はボード表面の黄ばみや劣化の原因になります。
- 筆圧は優しく: 強く書きすぎると、ボード表面に細かい傷がつき、汚れが入り込む原因になります。
豆知識①:油性ペンで書いてしまったら…?
ライター: やってしまいがちな「油性ペンで書いちゃった!」という絶望的なミス…何か対処法はありますか?
プロ: 諦めないでください!その油性ペンの上からホワイトボードマーカーでなぞるように上書きしてみてください。マーカーに含まれる剥離剤の成分が油性インクを浮かせて、一緒に消せる場合があります。ぜひ試してみてください!
豆知識②:罫線 ってどうやってひけばいいの?
ライター:そういえば、会議室のホワイトボードって罫線が入っているものもあれば、真っ白のものもありますよね。 あれって、後から自分たちで引くこともできるんですか?
プロ:できますよ。実は罫線には2種類の方法があって、用途によって使い分けるんです。
① ホワイトボードマーカーで直接引く方法(手軽・短期間向け)
プロ: 一番簡単なのは、フリーハンドで罫線を描いてしまうことです。ただし、ホワイトボードマーカーなので普通に拭くと消えてしまうんですよね。
ライター:ですよね。それだと会議のたびに消えちゃいそう…。
プロ:なので“消す必要がない短期間の利用”に向いています。 例えば、1週間だけのプロジェクト進捗表などですね。
ちなみに、油性で罫線を引くと、ほぼ“消えない線”になってしまって、修正も難しいので書かないでくださいね。
② 罫線テープを使う方法(長期利用向け)
プロ:長く使いたい場合は、ホワイトボード専用の罫線テープがおすすめです。
・磁石が使えるタイプのボードなら貼るだけ
・色は黒・赤・青など
・太さも選べて、ガントチャートや月間カレンダーの作成にも便利
メーカーによっては“最初から印刷されている罫線入りホワイトボード”もありますが、オフィスごとに使い方が違うので、テープの需要はかなり高いんです。
プロ: ちなみに最近は、ドット(点線)だけが軽く入ったホワイトボードも人気です。日本ノートと共同で開発した製品などが有名ですね。
ライター:あ、それ見たことあります!線はないのに、書くときのガイドになってすごく使いやすいんですよね。
プロ:そうなんです。罫線を“消す必要のない部分だけ”に抑えられるので、全体としてキレイさを保ちやすいのがメリットです。
おまけ:プロが選ぶ「印象的なホワイトボード」とは?
ライター: ちなみに、ホワイトボードのプロである担当者さんが「これはすごい!」と衝撃を受けた、印象的なホワイトボードがあれば教えてください。

プロ: そうですね、3つほどあります。
・Garage CHAT board: ガラス製でカラーが豊富。フレームレスなデザインがとにかくオシャレで、自宅にも欲しいと思ったほどです。
・PLUS Curubo:今は廃盤になってしまっているのですが、 シートが回転する構造で、立ったままクルクル回して書き込めるんです。デザイン性と機能性を両立した面白い製品でした。
・INTERNA:先ほどご紹介したCuruboのシートが回転する機能を引き継いだホワイトボードです。「書くインテリア」をコンセプトとしていて、機能性はもちろん、デザイン性も兼ねそろえているのが特徴です◎
ライター:ちなみに最近、ホワイトボードそのものを置かないオフィスもあるって聞いたんですが……。
プロ:そうなんです。MAXHUBに代表されるような“書ける大型モニター”を導入するオフィスも増えているんですよ。 専用ペンで書いたり、指で書いたり。普通のホワイトボードみたいに使えるうえ、消し跡や汚れ、劣化がない、データ保存もワンタッチと、メンテナンス面が圧倒的に楽なんです。
ライター:なるほど、これなら掃除の必要すらないですね。ホワイトボードもどんどん進化しているんですね。デザイン性の高いものも増えていて、選ぶのが楽しくなりそうです。
正しいお手入れで、いつでも快適なオフィス環境を!
ライター: 今日は本当に勉強になりました。ホワイトボードは「正しく使って、正しく手入れ」すれば、ずっとキレイに保てるんですね。
プロ: その通りです!キレイなホワイトボードは見た目が良いだけでなく、会議でのアイデア出しを活発にしたり、コミュニケーションを円滑にしたりすることも期待できます。
ライター: 今日はたくさん教えてくださってありがとうございました!今回ご紹介した方法やポイントに気を付けて、社内のホワイトボードもキレイに使っていきたいと思います。
今回は、ホワイトボードを綺麗にする方法について、弊社の担当者にインタビューをして徹底的に答えてもらいました。
ホワイトボードのお手入れでお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介した方法や注意点に気を付けて使ってみてくださいね。 次回もお楽しみに!