新型コロナウイルスとの共存が始まり、私たちの働き方も大きく変わる中で、オフィスの役割にも変化があることを「オフィスの考え方編」でお伝えしました。テレワークの普及によって、執務スペースは「固定座席である必然性がなくなる」「グループワークがメインになる」など変革期を迎えています。
こうしたニュースタンダードな働き方への変化に対応し、オフィスワーカーが気持ちよく働ける空間をつくるためにはどうすればよいのでしょうか。
今回は飛沫対策のためのデスクレイアウトの具体例と、執務スペースづくりのポイントをご紹介します。
01. ウィズコロナ時代のデスクレイアウト例
社員が安心して出社し勤務するには、飛沫対策が重要なポイントです。デスクレイアウトはどんな工夫ができるのか、具体例をご紹介します。
10パターン、デスク形状や配置によって得られる効果の違いや、同じ面積(すべて7.5㎡の空間に対してレイアウト)に設置できる座席数の違いにも着目してみてください。
デスクの形状が違うだけでレイアウトの幅も広がりますね。オフィスに必要な座席数など整理したうえで最適なデスクレイアウトを見つけてみてください。
では次に、執務スペース全体としてはどのように変わるのか、見ていきましょう。
02. レイアウト変化による空間機能の変化
飛沫対策やソーシャルディスタンスを意識したレイアウトを実際のオフィスに反映すると、どう空間が変わるのか。モデルプランを例に「ワークスペース」「収納スペース」「動線」の変化に着目していきます。
【Before」ソロワークスペース:385㎡/グループワークスペース:305.45㎡
【After】ソロワークスペース:145.67㎡/グループワークスペース:437.63㎡/ソロorグループワークスペース:155.37㎡
ソロワークスペース(=固定席)は239.33㎡減、グループワークスペースは132.18㎡広くなりました。従来明確に分かれていたソロワークとグループワークのスペースが、どちらの用途にも使えるフレキシブルな空間に変わったことで仕事に合った席を選びやすくなっています。
【Before】収納スペース:148.35㎡
【After】収納スペース:24.21㎡
収納スペースは124.14㎡削減。従来の約6分の1のスペースに縮小しています。テレワークの普及によってペーパーレス化が進み、書類を紙のまま保存する必要性は薄れつつあり、これからのオフィスにおいて収納スペースは縮小されていくでしょう。
【Before】導線:428.86㎡(動線幅150cm~180cm)
【After】導線:314.47㎡(動線幅160cm~240cm)
ソーシャルディスタンスへの配慮により、人が動く幅は広くなります。従来の動線幅は150cm~180cmでしたが、レイアウトの工夫によって160cm~240cmに広がり、決まった動線でなく自由にオフィス内を移動しやすくなっています。
03. 空間機能の変化で生まれる「多彩なワーク環境」
さきほどの例のAfterではどんなオフィスが生まれているのか、ポイントとともに空間を見てみましょう。
【各レイアウトのポイント】
①大型テーブルの間にグリーンを設けることで、対面席との距離をとりながらリラックス効果も。
②座席を真向かいの配置ではなく、斜め向かいに配置することで飛散防止に。定型業務に適した配置です。
③円いテーブルで、真ん中にグリーンを配置。飛散防止とともにコミュニケーションを円滑に。
④カウンター席で対面を避けます。集中作業にも適しています。
⑤交互に向きを設定したブース席で、机上にアイテムを広げて作業に集中。
⑥上下昇降テーブルで、姿勢と気分を変えながら業務を。腰への負担も軽減。
テーブル席ではちょっとした相談や打ち合わせだけでなく、ソロワークを行うこともできます。作業に集中したいときには、カウンター席やブース席に移動することも可能です。
このように、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)しやすく、仕事の効率と質を上げられる環境がこれからの執務スペースには必要です。業務に合わせて働く場所を選べる「多彩なワーク環境」を生み出すことで「より良質なアウトプットを生み出す場」となっていきます。
今回はウィズコロナ時代の執務スペースのレイアウトについてご紹介しました。
これからはオフィスワークとテレワークが共存することを考慮して、執務スペースを「仕事の質を高める環境」に整えることが大切です。今回ご紹介したポイントやデスクレイアウト例、空間機能の変化もぜひ参考に、オフィスレイアウトを見直してみてください。
オフィスレイアウトのお悩みやご相談など、ぜひお気軽にお問い合わせください!ウィズコロナ時代の働き方をサポートするオフィスレイアウトをご提案させていただきます。
次回は「ミーティング編」、ウィズコロナ時代のミーティングの変化についてお話しします。どうぞお楽しみに!