

人間工学に基づいて設計された、疲れにくさや身体への負担軽減をうたうエルゴノミクスチェア。座っている時間が長すぎると身体に悪影響があることも知られており、私たちは”座る”ことをもっと考える必要があります。
今回は”座る”をとことん考えて生まれたエルゴノミクスチェアの正しい選び方を徹底解説。Garage(ガラージ)おすすめのチェアも詳しくご紹介します。
「人間工学(エルゴノミクス)」とは?
人間工学(エルゴノミクス)とは、人間の動作や身体的特徴などから、自然でありつつ無理のない動きで使用できるような道具やシステム、デザインを設計するための学問のことです。人間工学に基づくことでミスや人への負担を減らし、快適性や生産性、効率などを向上させることを目的としています。
エルゴノミクスという言葉は1857年にポーランドの学者によって誕生しましたが、日本へ伝わったのは1920年。その後1964年には日本人間工学会が設立され、人々の生活に関わるシーンで人間工学の考えを取り入れたものが見られるようになりました。
現代では、人間工学を取り入れたものが多く存在します。オフィス家具の分野では「腰に負担がかからないように設計された椅子」が代表的。文房具では「握りやすいペン」や「手にフィットするマウス」などがあります。その他、医療やスポーツなど、多岐にわたる分野で応用されています。
エルゴノミクスチェアの3つの特徴
人間工学に基づいて設計されているエルゴノミクスチェアは、使用者の身体に負担がかかりにくく、快適な座り心地が特徴。長時間デスクワークをする人や、腰痛や肩こりがある人におすすめです。エルゴノミクスチェアの具体的な特徴を3つご紹介します。

①良い姿勢を保ちやすい
エルゴノミクスチェアには、背もたれや座面などに良い姿勢を保ちやすい工夫が搭載されています。椅子に座っている時の良い姿勢は、背骨がS字を描いた状態だとされていますが、長時間キープし続けるのは難しいものです。
エルゴノミクスチェアには、自然なS字を描けるように背もたれをカーブさせていたり、座面を前後に調整できたりと、身体をサポートする機能が搭載されているのが特徴。良い姿勢を長時間保ちやすいように設計されています。
②長時間座っていても疲れにくい
前述したように、エルゴノミクスチェアは良い姿勢を長時間保ちやすいよう設定されています。腰や背中部分をしっかりとサポートしてくれることで無理なく良い姿勢を保てるため、腰や背中への負担を軽減させてくれます。
良い姿勢を無理なく保てるので、長時間座っていても疲れにくく快適に。肩こりや眼精疲労といったトラブルも軽減するので、作業効率もアップします。
③好みの姿勢に合わせて調整が可能
エルゴノミクスチェアの多くは、チェアの各パーツを自身の好みや環境に合わせてカスタマイズできます。
具体的には、背もたれの強度や角度調整、アームレストの高さ、座面の奥行きや座面の高さなど。自身の身体のサイズに合わせた調整はもちろんですが、PC作業が多い時や字を書く作業が多い時、スマホを扱いながらの作業など、作業環境に応じた姿勢を取りやすいようにカスタマイズすることも可能。
正しい姿勢を保ちながらも、身体にとって楽な姿勢がかなうのが魅力的です。
エルゴノミクスチェアを選ぶポイント
快適な座り心地という特徴を備えたエルゴノミクスチェアですが、種類が多くて自分に合った選び方がわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、エルゴノミクスチェアを選ぶ時に気をつけたいポイントを4つご紹介します。

①人間工学の要素が起用されているポイントはどこか
ひとくちに「エルゴノミクスチェア」といっても、製品によって備えられている機能は異なります。そのため、まずは製品ごとに「人間工学の要素が起用されているポイントはどこか」を確認することが大切。そして、その製品はどういったコンセプトで開発されたかについてもしっかりと理解しましょう。
たとえば、多くのエルゴノミクスチェアには「ランバーサポート」が搭載されています。これは背もたれ部分の下の方がやや前方に膨らんでおり、正しい姿勢とされる背骨のS字カーブをキープしてくれるもの。ランバーサポートが搭載されている椅子は、正しい姿勢をキープする機能に長けているといえるでしょう。
いっぽうで、ランバーサポートが搭載されていないエルゴノミクスチェアもあります。座った状態でも身体を動かしやすいような工夫が施されており「同じ姿勢でじっとするのではなく、アクティブに動けるように」といった点をコンセプトに作られています。
チェアによってうたう機能性や特色、ポイントが異なるので、それぞれのコンセプトを理解して比較しましょう。
②自分のニーズと①のポイントはあっているか
①のポイントを踏まえて、購入したいエルゴノミクスチェアの機能が自分の悩みや解決したいと思っていること・ニーズと合っているかを検討する必要があります。
たとえば、腰の疲れや腰痛が気になるなら、ランバーサポートを搭載した製品を選ぶとよいでしょう。製品によってはランバーサポートを脱着できたり、硬さを調整できたりするものもあります。
首のこりや疲れに悩んでいるのなら、ヘッドレストを搭載したチェアがおすすめ。頭や首をしっかりと支えてくれるので、負担を軽減できます。ヘッドレストが脱着できるか、取り付け位置の微調整が可能かといった点もおさえておくと◎。
肩や腕の疲れを改善したい方は、アームレストの機能が充実している製品をチェック。アームレストの位置を上下や左右、前後に細かく調整できるタイプの製品もあり、体格や作業時の姿勢に合わせた調整が可能です。
③問題なく使用できるサイズかどうか
エルゴノミクスチェアは、一般的なオフィスチェアと比較するとサイズが大きめのものが多い傾向にあります。
チェア選びの際はどうしても機能性を重視してしまうので、「サイズ感はどうか?」というポイントをつい忘れてしまいがち。特に椅子に座る人との体格も重要です。例えば大き目のチェアを小柄な人が使用する場合、せっかくのチェアの機能を十分に生かせないことも。
また、チェアを実際に設置してみると「思っていたよりも大きく、チェアの存在感が大きくなってしまった!」ということもあり得ます。 さらにエルゴノミクスチェアを置く場合、スペースに十分な余裕がないと、リクライニング機能を十分に発揮できない恐れも。座面やアームレストの高さによっては、デスクの下に収納できない可能性もあります。
エルゴノミクスチェア選びの際は、使用する人の体格と椅子の規格があっているか・部屋に置いたときに問題なく使用できるかどうか、サイズ確認を念入りに行うようにしましょう。
④部屋の雰囲気や他のインテリアと合うか
「せっかく気に入ったチェアを手に入れたのに、実際に置いてみたら部屋の雰囲気となじまない…」となっては残念です。
機能性を重視して選ぶことはもちろん大事ですが、チェアのデザインやカラーが部屋の雰囲気に合っているか?他のインテリア雑貨などとなじみそうか、といった観点も気にして選ぶことが重要です。
人間工学×椅子:Garageが推す6チェア
Garageがおすすめする、高機能でおしゃれなエルゴノミクスチェアを5つご紹介します。
①長時間のデスクワークにぴったり「HAG Capisco Puls」

長時間のデスクワークの負担軽減を目的にデザインされた「HAG Capisco Puls」。座りながらも、アクティブに動けることをコンセプトとしたエルゴノミクスチェアです。
サドル型の座面×クロス型のバックデザインが特徴のユニークな形状は、前向きや後ろ向き、横を向いたり時に回転したりなど、様々な座り方をサポートします。
ユニークなデザインは自宅やオフィスにもアクセントを与え、おしゃれな雰囲気に。豊富なカラー展開で、お気に入りの1脚をきっと見つけられます。
②前傾姿勢が作業しやすい方におすすめ「Keilhauer Jr」

ユニークなデザインが目を引く「Keilhauer Jr」。背もたれの下部がふくらみ、上が細くなったこの形状は、人間工学に基づいて設計されています。
腰まわりと背骨をしっかり支えるためフィット感が高く、座るだけで骨格や内臓への負担が少ない姿勢へと導いてくれます。
また、座面の角度を前傾させる機能がついているので、座っている時に太もも裏の圧迫感を軽減する効果も。筆記作業やノートPCの操作といった、前傾姿勢での作業に適したチェアです。
③ 様々な座った姿勢をサポートする「steelcase」のエルゴノミクスチェア

PCやタブレットなど複数のデバイスを扱ったり、ときにスマホを確認したりと、現代の働く姿勢は多様。
「steelcase/スチールケース ジェスチャーチェア ラップバック」は、様々な姿勢をサポートするように設計されており、背面と座面が高度なフィット感で使う人の姿勢に合わせて動きます。
アームや座面の高さ・奥行きの調節が直観的な操作性で簡単に行え、こまめな調節が苦にならないのも高ポイントです。
④腰回りをしっかりとサポートする「Ergohuman」のチェア

背もたれが2つに分かれているのが特徴の「Ergohuman pro2 ハイタイプ」。Ergohuman(エルゴヒューマン)シリーズの椅子の中でも上位のモデルです。
これまで背もたれと一体化させることが常識だったランバーサポートを独立させたことで、よりしっかりと腰回りをサポート。体重をバランスよく分散し、快適な姿勢をとれるように補助してくれます。
スタイリッシュな空間を生み出す、高級感あるアルミポリッシュフレームもポイント。
フレームのカラーには従来のブラックに加えてグレーも仲間入りし、5色展開の張地とのコーディネートも楽しめます。
⑤座る人の体型や動きに適応する「HermanMiller」のエルゴノミクスチェア

「HermanMillerセイルチェア」は、吊り橋の原理からインスピレーションを得て生まれたという”フレームのない全面サスペンション”が特徴のチェア。
また、胸から腰・腰から仙骨へと移行する2つの部分にヒンジポイントがあることで、座る人の体型や動きに適応して脊柱や腰部、骨盤をしっかりとサポートしてくれます。
Garageセレクトの特別なカラーリングも、魅力のひとつです。
⑥背筋まっすぐを楽に保つ「BeneS」のチェア

美しいS字カーブの背が特徴のPLUS発「BeneS」のチェア。「良い姿勢を楽に保つことができれば、体への負担を軽減できる」という考えのもと生まれており、楽に背筋まっすぐがキープできます。
ヘッドレストが付いたエクストラハイバックタイプは、首を支えて頭への負担を分散。背もたれを倒した状態で作業ができるので、長時間パソコン作業をする人におすすめです。
今回はエルゴノミクスチェアについて選び方やオススメを紹介しましたが、一緒に使用するデスクやキーボードなどの環境によって、疲労度や使い勝手は異なります。
お仕事環境を見直して、トータルでぴったりのチェアを選んでみてください。
Garageには、スタイリッシュなチェアやユニークなデザインのチェアなど、様々なテイストのエルゴノミクスチェアが揃っています。ぜひGarageでお気に入りのエルゴノミクスチェアを見つけてくださいね!
次回もお楽しみに!